当院では院内で生検された組織、あるいは摘出された臓器、採取された細胞については、
すべて病理診断科に提出されており、病理医によって詳しく病理学的検索を行い、病理診断を
行っています。年間の生検数は約5000件、細胞診数は約8000件、術中迅速診断数は約200-300件、剖検数は年間20-30体です。検体の受付から病理診断結果報告まで、オーダーリングを含め、電子カルテで運用を行っています。
当院は日本病理学会認定病院、日本臨床細胞学会認定施設であり、日本病理学会病理専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医の資格を取得することが可能です。
【スタッフと設備】
常勤の認定病理医は1名であり、日本病理学会病理専門医、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本臨床検査医学会臨床検査専門医、国際細胞学会フェローを取得しています。広島大学から非常勤病理医1名の派遣を受けています。
設備の特徴としては広く、空調および換気装置が完備された剖検室を有しています。病理診断科の実験室も広く、機器としては自動脱水包埋装置、H.E染色及びパパニコロウ染色自動染色装置、
自動免疫染色装置、自動特殊染色装置、凍結ミクロトーム、プレパラート自動封入機、静止画画像電送装置、透過型および走査型電子顕微鏡などを有しています。電子カルテの部門システムは
LANを構築しており、端末は8台です。検体受付、標本作製はバーコードで管理しており、デジタルカメラによる肉眼臓器撮影、顕微鏡撮影を行っています。1990年から病理診断報告書、
細胞診断報告書の電子化に取り組み、現在までに組織診は約9万件、細胞診は約16万件のデータが蓄積されており、検索も可能になっています。
検査技師は5名であり、うち4人は細胞検査士、3人は国際細胞検査士の資格を有しています。組織切片、細胞診標本について、免疫染色、各種特殊染色、In situ hybridization法などを用いた検索をルーチンで行っています。
【業務内容】
1.剖検は担当病理医1名、検査技師1名で待機しています。受付時間は午前7時から
午後9時までであり、剖検診断結果は剖検輯報に毎年報告しています
2.生検組織、手術臓器の切り出しは病理医により行われ、肉眼所見、切り出し図、
病理診報告書などの診断結果は1−10日に電子カルテ上に報告します。顕微鏡画像も
積極的に撮影し、電子カルテに載せています。
3.細胞診断は細胞検査士のスクリーニングを経て、細胞診専門医がチェックを行い、診断
結果を電子カルテ上に報告します。乳腺、リンパ節などの穿刺細胞診は細胞検査士が外
来および病棟に出向き検体処理にあたる、ベッドサイド細胞診を積極的に行っています。
4.臨床研修制度におけるCPCは年3回程度行っています。症例に関しての討論は電子カル
テを参照しながら随時臨床医と行っており、臨床医の学会発表の支援も行っています。
消化器内科、外科、放射線科、病理診断科合同の消化器症例検討会、外科、放射線科、
病理診断科合同の乳腺症例検討会、腎臓内科、病理診断科による腎疾患検討会はそれ
ぞれ週1回行っています。
【研修内容】
日本病理学会の研修目標に準じます。その内容は以下のとおりです。
GIO: 病理専門医として適切な医療に貢献するために、診断病理学に必要な知識、技能、
態度を身につける。
SBO:
T.必要な知識
1)病理業務に関わる知識
1.病理業務に関連する法及び制度を説明できる。
2.病理業務に関するリスクマネジメントを説明できる。
3.病理業務の資料を管理し、保存できる。
4.病理業務で得られた人体材料を研究に用いる際の手続きを説明できる。
2)病理診断に必要な知識
1.基本的な病理組織標本の作製過程を説明できる。
2.免疫染色を含む特殊染色の原理を説明し、結果を評価できる。
3.電子顕微鏡標本の作製過程を説明し、結果を評価できる。
4.遺伝子異常の検索の原理を説明し、結果を評価できる。
5.病理診断に必要な臨床的事項を的確に判断し、病理診断との関連性を説明できる。
6.病理診断に対してコンサルテーションの必要性を判断できる。
U.必要な技能
1.病理解剖を執刀できる。
2.臨床事項と考察を含めた病理解剖報告書を作成できる。
3.偏らない臓器・組織から得られた生検、手術材料を診断し、報告書を作成できる。
4.細胞診材料を診断し、報告書を作成できる。
5.迅速病理診断において良悪性の判定をし、適切な報告ができる。
6.基本的な病理組織標本の作成(切り出しから標本作製まで)を実施できる。
7.病理業務におけるバイオハザード対策を実行できる。
8.CPCや臨床とのカンファランスにおいて、病理所見を的確に説明できる。
V.求められる態度
1.生検診断、剖検及びCPCなどに際して、患者や遺族に対する配慮ができる。
2.病理業務において、臨床医と適切に対応できる。
3.学生、臨床研修医及び病理専門医初期研修医に対する病理の指導ができる。
4.病理業務に関してコメディカルと協調できる。
5.病理診断の精度管理について積極的に関与する。
6.学会、研修会、セミナーに積極的に参加する。
7.病理業務の社会的貢献に積極的に関与する。
8.人体病理学に関する研究を行い、結果を報告できる。
【学会活動など】
日本病理学会、日本臨床細胞学会、日本網内系学会などに学会発表。
日本病理学会細胞診断講習会(平成16,17,18年度)では造血器の講師を担当。
日本病理学会中国四国支部ではリンパ節、骨髄についてのコンサルテーションを担当。
論文は症例報告、症例解析をはじめ、他施設との共同研究などにより発表。
教育活動は、臨床教授として広島大学医学部学生の基礎および臨床実習を担当。
【資格取得など】
1.日本病理学会病理専門医の取得
日本病理学会病理専門医の受験資格は研修年数5年以上であり、経験症例数は
剖検50例以上、生検 5000件以上、細胞診 1000件以上、迅速診断 50例以上、CPC
担当 2例以上、学会報告、または原著論文3編以上などであり、資格取得のために当
院では十分な経験を積むことが可能です。
2.日本臨床細胞学会細胞診専門医の取得
日本臨床細胞学会細胞診専門医の受験資格は、研修年数5年以上、日本臨床細胞学
会の学会歴3年以上、原著論文3編以上などであり、資格取得が可能です。
症例検討会風景
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